乳がん検診は自覚症状がない方が対象です。公費補助の検診と自費検診の２つのタイプがあります。ご自身にあった検診方法をお選びください。
北九州市にお住いの方は、北九州市マンモグラフィ一次検診で受診いただけます。
※以下の方は受けれません。（保険診療になります）
一次検診で異常が見つかり精密検査が必要となった場合は、保険診療による精密検査を行います。
公費補助の対象外の方は自費での検診ができます。
受付で問診票（一般問診票と遺伝性乳がん卵巣がんの問診票）をお渡ししますので、ご記入いただきます。なかなか予約時間どおりには進まずお待たせします。申し訳ありません。
スタッフの案内により 更衣室で検査着に着替え、 その後中待合室で お待ちください。
まずはマンモグラフィ検査です。 放射線技師から呼ばれたら、 検査室に移動します。
検査はだいたい10分程度です。 終わったら中待合室で待ちます。
マンモグラフィ検査乳房専用のエックス線撮影検査です。乳房をはさんで撮影します。 マンモグラフィの検査は難しく、写真のできによっては病変を見逃すこともあり得るので、常に最高の条件での撮影と読影が大切です。当院は撮影技術認定をもつ女性放射線技師が撮影します。また当院は日本乳がん検診精度管理中央機構の施設画像認定を取得しています。
続いて診察です。まず症状や気になることなどについてお聞きします。必要な場合は超音波検査やさらに細胞診などを行います。再度の受診が必要な場合は予約をとります。
更衣室で着替えて、受付で会計をします。
当院を受診された方からよく聞かれる質問です。
すべての方に当てはまるわけではなく、あくまでも原則的な答えです。症状が続くときや、どうしても気になるときは、ためらわずに受診をしてください。
乳房にしこりがあるのですが、がんでしょうか？
しこり＝がんではありません。乳房のしこりには、乳腺表面の凹凸を触っているだけ、良性の腫瘍、乳腺症そして乳がんなどいろいろあります。
硬いしこりは乳がんですか？
硬い柔らかいはあてになりません。良性の腫瘍もだいたい硬く触れます。
しこりを触れないから乳がんはないと思っていいですか？
小さな乳がんは触れませんし、がん細胞だけが広がりしこりを作らない乳がんもあります。
脇にしこりがあるんですが？
ほとんどの方は、腋毛が生えている部のしこりをさす事が多いのですが、この部はいわゆる腕の付け根の脂肪で、通常病気にならない場所です。乳がんに関係する脇のリンパ節はもっと乳房近くにあります。
乳がんは痛みますか?
よほど大きくない限りは乳がんは痛むことはありません。女性ホルモンに乳腺が刺激された痛みや、神経や筋肉の痛みがほとんどです。
乳頭から分泌液がでますが乳がんですか?
透明、黄色、乳白色の分泌液がでるのはほとんどの場合心配ありません。オレンジ色や明らかに血が出てくる場合は乳頭周囲に病変がある場合があるので検査が必要です。
乳頭や乳輪にかゆみがありますが？
乳腺の良性腫瘍や乳がんでかゆみがでることはありません。乳頭や乳輪は慢性の湿疹ができやすい場所なので、これによることがほとんどです。一度皮膚科に相談してください。
触診を念を入れてすれば早期のがんが見つかりますか？
小さな乳癌はいくら丁寧に触診しても見つかりません。最低でも1cm以上、場合によっては2cm以上でもわからないことがあります。
乳房をつかんで触診するとしこりがあるんですが
触診のとき、つかんだりつまんだりしてはダメです。これでは乳腺をしこりのように触れて腫瘍と勘違いします。指を伸ばして押さえるか滑らせてみます。
毎日触診をしていたら早く乳がんが見つかりますか？
毎日念入りにしても早期の乳がんは見つかりません。それより、念入りにすればするほど小さな凹凸などが気になり、かえって不安が大きくなることが多いようです。 1ヶ月に1回、生理の1週間後くらいに（閉経の方は日を決めて）、親指の頭くらいのしこりがないかを簡単に調べるくらいが適当です。
マンモグラフィ検査で異常ないから小さな乳がんもないと思っていいですか？
マンモグラフィは万能ではありません。小さな乳がんは見つけにくいです。また特に若い人に多い、乳腺がフィルム上白く写る場合（デンスブレスト＝高濃度乳腺）は、腫瘍があっても写りにくいです。
授乳中や妊娠中はマンモグラフィ検査をしなくて大丈夫ですか？
検査をすることは可能ですが、授乳中はマンモグラフィ検査をしても異常を見つけることが難しく、妊娠中は赤ちゃんのことがありますからどうしても必要な場合しかしません。 まずエコー検査で大丈夫と考えてください。
マンモグラフィでの放射線被爆は大丈夫ですか？
1回の撮影で大体0.1mSvで、左右2方向撮ると計0.4mSvくらいの被爆量です。 ちなみに人間は自然に年間2.4mSvの放射線を浴びますし、日本～アメリカを飛行機で移動した場合の自然被爆量は0.2mSvですから、マンモグラフィの被爆量は多くはありません。 だからといって不要な検査はするべきではなく、必要最低限の検査をするべきです。
エコー検査で異常がないから乳がんもないと思っていいですか？
しこりを作る乳がんはほぼ大丈夫ですが、しこりを作らない乳がんはわかりにくいです。ただし乳房のエコー検査は腹部のそれと比べて診断が難しい場合が結構あるので、信頼できる施設でしてもらうことが重要です。
触診はいっさいせずに、マンモグラフィとエコーさえすればいいですか？
確かに触診はかなり曖昧な検査と言えますが、これは一般の方が自分でできる唯一の検査方法です。当院の乳がん患者さんでも自分で異常を見つけて来られる方がかなりいらっしゃいます。 触診することで、自分の乳房を常に意識しておくことはとても大切です。これに加えて検査を受けるのが最良のやり方です。
マンモグラフィ検査とエコー検査で異常がなかったら大丈夫ですか？
まず大丈夫と言えます。ただそれは現時点でのことであって将来も大丈夫というわけではありません。 また両方の検査でもわからないごく初期の乳がんも稀にあります。これが１回の検査だけで安心するのではなく、定期的に検査をした方がいいという理由です。
何歳くらいから定期的な検診を受けたらいいですか？
年齢によって検診の有効性が違うので一概には言えませんが、20歳を過ぎたら触診を定期的にする習慣をつけて、40歳からはマンモグラフィ検診を受けるよう勧められています。 それでは30歳代はというと、実はこれが一番いいという検診方法はまだわかっていません。受ける検診システムに従ってエコーとマンモグラフィ検査を使い分けるのが適当と思われます。症状がある場合は保険診療でマンモグラフィとエコー両方をします。
検診を2年に1回ではなく半年毎にした方がいいですか？
検査を密にした方がいいわけではありません。それだけ不必要な放射線も浴びますし、費用も無駄にかかります。 ときに検診と検診の間に腫瘍が大きくなって見つかることはありますが、だからといって全ての人に密に検査をするわけにはいきません。
｢健診｣と「検診」は違うんですか？
違います。「健診」は健康の状態を確認するため、いろいろな病気をもっているかどうかを確認するために行います。 これに対し「検診」は特定の病気を早期発見し、その病気による死亡率を低下させるために行われるものです。だから「乳がん検診」なんですね。
乳房にしこりがあるので市の検診を受けていいですか？
症状がある場合は原則、市の検診は受けれません。保険診療になります。
乳がんは若い人にしかできませんか？
他のがんに比べて若い人もなりやすいがんです。近年は徐々にかかる年齢が上がってきており、一番なりやすい年齢は60歳ころです。（ちなみにアメリカは70歳）
乳がんは遺伝しますか？
乳がんの5～10%は遺伝性と言われています。
腫瘍はなくなることがありますか？
本当にそれが腫瘍ならばなくなることはありません。ただ嚢胞という、内部に液体を含んだ袋状の良性腫瘍は、自然に液体が吸収されて小さくなったり、つぶれたりすることがあります。
良性腫瘍を放置しておくと乳がんになりますか？
なりません。良性の腫瘍はずっと良性のままです。がんは始めからがんです。 腫瘍が小さいときは良性かがんか区別がつきにくいことはあります。
良性腫瘍であれば放置して検査しなくてもいいですか？
年1回の検査は必要です。良性腫瘍でも大きくなることがあり、通常3cmを超えるようになると目だってきますし、それ以上に大きくなることがあるので、手術が必要になる場合がでてきます。
乳腺の石灰化があるとがんになりやすいですか？なくなることはありますか？
乳腺に石灰化があっても症状はでませんし、乳がんになりやすいことはありません。ただし乳がんの中に石灰化ができることがあるので、これは要注意です。 また、石灰化はカルシウムが沈着して育った粒なので、なくなることはありません。
乳がんにならないように予防することはできますか？
現在のところ予防する確実な方法はありません。
授乳中に乳腺炎を繰り返していたので乳がんになりやすいですか？
乳腺炎に何回なっても後遺症は残りませんし、乳がんとは関係ありません。
子宮筋腫や内膜症があると乳がんになりやすいですか？
子宮の病気があるから乳がんになりやすいというデータはありません。
大豆やイソフラボン、乳製品をとると乳がんになりやすいですか？
乳がんになりやすいということはありません。これらの食品の摂取で、むしろ乳がん発症のリスクが低くなる可能性があります。
